こんにちは
管理栄養士/腸育コンシェルジュ/漢方薬膳マイスターの穂namiです。
最近、「便秘で困っている」「腸内環境の整え方を教えてほしい」「腸活をはじめようと思って…」などなど、お客様から相談を受けることが増えてきました。特に秋は気候的に腸の動きが弱まるので、便秘に悩まれる方が多いようです。
夏から冬に向けて気温がだんだん下がってくると、人の体は体温を上げようとして交感神経を優位にさせます。そのため胃腸などの消化管の動きが悪くなり、日頃のストレスや、秋冬の冷え、乾燥も相まって便秘になりやすくなります。
便秘が続くと腸内環境が乱れ、
- 食欲の増進
- 肌荒れ、ささくれ
- 鼻水、鼻づまり
- 咳
- 頭痛
- 憂鬱
- やる気がおきない
などといった不調も起こりやすくなります。
このようなお悩みを持つお客様のなかには、食物繊維を摂るため毎日たくさんサラダを食べているという意識の高い方もいらっしゃいました。ですが、サラダの中身を尋ねるとキュウリやトマトなど夏野菜が多め…その方は冷え性にも悩まされていました。
野菜を摂られていることは大変素晴らしいのですが、季節に採れない食材を生のまま食べ続けていると、身体の陰陽のバランスが崩れ、体調を崩すことがあるので注意が必要です。
そこで私がおすすめするのは"旬の食材"です!!
旬の食材は、その時季に身体が必要としている栄養素を豊富に含んでおり、食べ続けるだけで季節に適した体づくりができます。
秋は腸が弱りやすい季節ですが、なんと秋が旬の食材には、弱まった腸を元気にさせる「食物繊維」が含まれた食べ物が他の季節よりも多くなっています。
今回は、
●腸内環境について
●"旬の食材"で腸内環境が整う理由
●より効果を上げる食事
についてお話ししたいと思います。
目次
なぜお腹が不調になるのか?
原因は下記が考えられます。
①腸内環境が乱れている
②お腹のインナーマッスルや筋肉が弱り身体が冷えている
③水分不足
腸内環境について知る。
腸は食べ物の消化吸収や排泄、免疫機能を担っていますが、最近の研究では、生活習慣病、体質(太りやすさなど)や精神活動(腸脳相関:腸と脳は自律神経系や液性因子を介して密に関連しています)へも影響を与えていると分かってきています。
腸内環境とは、私たちの腸に共生している腸内細菌がつくり出した環境のことを言い、腸の働きはこの腸内環境の状態に依存しています。腸内環境が良いと、栄養素の吸収率UP、免疫力UP、スムーズな排便、痩せやすい体質、精神の安定など、私たちにとって嬉しい状態になりますが、悪くなると体調を崩しやすくなったり、便秘、肌あれ、生理痛、肩こり、肥満、イライラなどを引き起こしやすくなります。
腸内環境が悪くならないようにするためには、腸内細菌を意識した食習慣を送ることが大切です。
腸内環境が整う腸内細菌のバランス
私たちの腸には、100兆個以上(全体重のうち1〜2kg分)の腸内細菌が住み着き、その種類や配分が同じ人は一人もいません。個々人で性格が異なるように、腸内細菌の種類や配分も皆それぞれ異なっているのです。
腸内細菌は働きによって大きく3つのタイプに分かれます。
●善玉菌:宿主(人間)にとって良い働きをする腸内細菌
●悪玉菌:宿主(人間)にとって悪い働きをする腸内細菌
●日和見菌:善玉菌か悪玉菌のどちらか勢力の強い方に味方をする腸内細菌
腸内環境が整っているとき、この3タイプの菌バランスはこのようになっています。
善玉菌:悪玉菌:日和見菌=2:1:7
腸内細菌は私たちが食べたものをエサにして生きています。
ということは、食べるものを意識すれば、腸内環境のバランスが整い、健康的な体づくりが出来るのは当然のことなのです。
腸内環境を整える方法
悪玉菌を減らして善玉菌を増やす。
腸内環境を整えようと考えたとき、まず最初に取り組むのは『悪玉菌を減らす』ことです。どんなに善玉菌を増やしても悪玉菌が多ければ日和見菌が悪玉菌に加勢してしまい、いつまでたっても腸内環境は整いません。
悪玉菌を減らすには。
悪玉菌は下記の条件で増えやすくなるので、これらに気をつけることが大切です。
●高脂肪食
●ストレス
●環境因子(生活習慣などの乱れ)
●食品添加物などの化学物質
●抗生物質
(※各項目の詳しい内容はセミナーのときにお話しします。)
善玉菌を増やすには。
善玉菌を増やすには、善玉菌のエサとなるプレバイオティクスと善玉菌そのもののプロバイオティクスが含まれた食べ物がおすすめです。
プレバイオティクス:食物繊維/ポリフェノール
例)穀物類、野菜、芋類、キノコ類、果物、ナッツ類など
プロバイオティクス:乳酸菌/発酵食品
例)味噌、糠漬け、醤油、納豆、お酢、キムチ、ヨーグルト、チーズなど
(※詳しい内容はセミナーのときにお話しします。)
腸内の短鎖脂肪酸を増やそう!
善玉菌が身体に良い働きをしていると言われる理由の1つは『短鎖脂肪酸』を産生すること。
短鎖脂肪酸が増えると
- 腸の運動が活発化
- 便秘解消
- ガス(おなら)がたまりにくい
- 大腸がんの予防
- 脂肪の蓄積を抑制
- 免疫力アップ
などの効果が期待できます。
その他にも、脂肪酸受容体GPR41を介した交感神経の調節、幸せホルモンと呼ばれるセロトニンの産生量や、食欲を抑えるPYY、GLP-1などのホルモン分泌量が増えることも分かっています。
短鎖脂肪酸を増やすには食物繊維
短鎖脂肪酸は、腸内細菌である乳酸菌やビフィズス菌などの善玉菌が食物繊維を分解することによって作り出されます。つまり、善玉菌が喜ぶ食物繊維をたくさん食べて、短鎖脂肪酸の産生量を増やすことが腸内環境の改善につながるということです。
秋が旬の食材は食物繊維が豊富♪
秋は『収穫の秋』
様々な旬の食材があります。
芋類:さつまいも、里芋、くわい、じゃがいも、山芋
きのこ類:松茸、舞茸、なめこ、しいたけ、しめじ、えのき(晩秋~冬)
穀物:米、麦、大麦 など
豆類:大豆、小豆、いんげんまめ など
野菜:ごぼう、玉ねぎ、大根、春菊、チンゲン菜、にんじん、カリフラワー、れんこん、白菜、長ネギ、冬瓜 など
果物:いちじく、梨、柿、ぶどう、みかん、りんご、ゆず など
ナッツ類:くるみ、栗、銀杏、ピーナッツ、ごま など
海藻類:のり
(魚介類:さんま、鮭、鯖、ほっけ、エビ、カニ、アサリ など ※便通を良くするためには多少の脂も大切です。魚の脂は不飽和脂肪酸が豊富ですので、食べ続けることによって総コレステロールの低下や善玉コレステロールの増加が期待できます。また、鮭やカニ、エビに多く含まれているアスタキサンチンは強い抗酸化作用があるため生活習慣病の予防にも繋がります。)
見て気付かれたと思いますが、実は旬の食材は美味しいだけでなく、腸の環境を整えるのに欠かせない食物繊維が豊富に含まれているのです!!
まるで、自然は初めから腸が弱まることを知っているかのような食材の揃いぶりです…
食物繊維は2種類バランスよく食べましょう!
食物繊維は、水溶性食物繊維と不溶性食物繊維の2種類あります。
まず、水溶性食物繊維ですが
食材は大麦、果物、こんにゃく、海藻類などに多く含まれています。
サラサラorネバネバした性質を持ち、余分なものを絡め取りながら胃腸をゆっくり進んでいくため、食欲の抑制、コレステロールや糖質の吸収が穏やかになり、血中コレステロールの低下や食後血糖値の乱高下を抑えます。また腸のエネルギーになる短鎖脂肪酸が産生されるので、腸の動きが活発化します!
一方の不溶性食物繊維は
芋類、キノコ類、穀物類、豆類、野菜、ナッツ類、一部の果物などに多く含まれています。
水分を吸収して大きく膨らむ性質があるので、便のかさが増し、腸壁が刺激されて便通が促進します。こちらも短鎖脂肪酸が産生されますが、水溶性食物繊維のほうが産生量は多いです。
この水溶性食物繊維と不溶性食物繊維はバランスよく食べることが大切で、だいたい水溶性食物繊維:不溶性食物繊維=1:2だと便通を良くすると言われています。
現代人はこの割合が1:3になりがちなので、便秘が気になっている方は水溶性食物繊維を意識して摂ると良いかもしれませんね。
おすすめの食べ方
発酵食品と一緒に食べる
腸内環境を整えるには、食物繊維と一緒に発酵食品を取るのがおすすめです。
発酵食品には
- みそ
- しょうゆ
- お酢
- かつお節
- 納豆
- ぬか漬け
- ヨーグルト
- チーズ
- キムチ
などがあります。
食物繊維は善玉菌のエサになるのに対して、発酵食品は食品に含まれる善玉菌そのものを食べることで、腸の環境を整えます。
発酵食品を見てみると、半分が和食で使われる食品です。日本人が昔から食べていた食事はまさに腸内環境を整えるのにピッタリの料理だったのですね。
まとめ
- 旬の食材を食べましょう
- 水溶性食物繊維を意識して食べましょう
- 発酵食品と合わせて調理しましょう
腸セラピー
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こちらは、おなかを優しく指圧しながら腸を刺激し、便秘、お腹の張り、腰痛、冷え症の改善をはかります。また、お客様に合わせて腸内環境を整える食事の提案も行っておりますので、ご希望の方は、施術後に自宅で実践できる方法をお伝えできます(※要予約)。
ぜひ今日から旬の食材を食卓に取り入れて、腸美人を目指しましょう!